前回書いた「レイアウトの作り手を分類してみた」が意外に多くの方に読まれたようです。
今回は二回目で美里山倶楽部が転機ともなった、「ドラマ・ストーリー派」が登場ですけど、多分内容は美里山倶楽部の転換点のお話になりそう。
3.ドラマ・ストーリー派
先に書いた正統派のなかにも、もちろんレイアウトにストーリーを持たせている方は多くいらっしゃいます。レイアウトモデリングの摂津鉄道などは、村づくりから考えているわけで奥深い訳です。
ここでは、もう少し従来のカラを打ち破ったレイアウトをドラマ・ストーリー派と位置づけています。
今から15年位前に山梨の模型屋の常連さんで運営しているジオラマ運転クラブに入会しました。
ゆる~い規則で運営されているクラブでしたけどお仲間がみなさんよいキャラを持っていまして、早速美里山倶楽部も当時渾身の力を込めてモジュールを作り上げました。
現在のモジュール「河原町鉄道」の前身となる「雨畑線」という名称を付けまして運転会に臨みました。
美里山倶楽部的にはいい出来だと思ったんですが、スーパーで行った運転会では集客力がありませんで、ベテランの会員さんのモジュールに人気を奪われてました。
運転会に於いては「地味」すぎた。
他のモジュールを見ると香港と思われる電飾豊かな看板、巨大人形がサッカーをしている、ウルトラマンが撮影をしている工事現場、ネコバス列車が走り回る、などなど、人目をひくにはこんくらいやらなきゃダメってのを見せつけられました。
はっきりいって、スケールモデルなんでどこ吹く風、どんなドラマ仕立てにするかで客足の伸びが違うって事を思い知らされました。
もちろん全てが許されるわけでは無いけど、そしてTMSでは「ふざけすぎている」として対象外になるだろうけど一般の方が見た時には、「これ。面白ぉ~」となります。
正統派や超リアル派のレイアウト、ジオラマは「スゴイですねぇ~」と表現されるのとは大きな違いが出てきます。
大きなレイアウトでも違いを感じています。
JR東日本の「てっぱく」に作られているのは限りなく正統派だと思います。いろいろな列車を走らせて一日を紹介しています。
JR東海の「リニア鉄道館」の鉄道ジオラマは、同じ一日でももっとエンタメがかっていて見ていて飽きないし楽しい。
「面白い」のはJR東海の方でしょう。
そんなことで自己満足と「通」受けするジオラマでは「一般受け」は狙えないことから、モジュールはドラマ・ストーリーに徹すべしと考え方を変えました。
その一作目が国際救助隊のモジュールです。
これを運転会に出したときはコーナーモジュールで目につきやすいことも幸いし、人気を集めました。
唯一の欠点は、若い世代はすでにサンダーバードを知らない世代だったということです。
その後、NHKで新サンダーバードが放映された後は、馴染みが出ましたが形が大幅に変わったので「似せ者」扱いもされました。
これでドラマ・ストーリーを体得出来たので、次には合掌作り「白川郷の春」を作って行きました。
世界遺産になって20年の節目の年であったこともありますが、春の雰囲気を盛り込んだジオラマは珍しく「花見」をストーリーにすることで春の運転会には欠かせないパートになったんです。
これは1作目の「雨畑線」をリニューアルしたモジュールです。
牧場の代わりにケーブルカーが取り付けられ、そこから観光客が上田城に歩いて観光に来ている景色に変えました。
線路手前にも日通やコンテナを置いて動きを表現。右奥には上田城が見えますね。ちょうど「真田丸」が放映中でして、吉祥寺のアトレでお披露目しました。
ノボリも100本以上取り付けてお祭りムードを盛り上げます。
アトレでは大人気でして、特に旅行社の女性職員がカメラに収めて旅行のPRに使わせてほしいって言ってもらえたのは嬉しかったですね。
このように考えて見れば、鉄道模型は見てもらってナンボのところがあります。
自宅で楽しむとしてもお客様や仲間を呼ぶ機会はあるでしょうから、そこに、純「国鉄型ローカル線」レイアウトがあって、単行列車やディーデル車両しか走らないのではお客様に失礼でしょう。
ハレの場があって良いわけですから、お祭りや動物園があったっていいと思いますよ。
ということで、やっぱり「ドラマ・ストーリー派」だけで終わってしまいました。
次回は2テーマくらい書きましょう。
・小型ケース派
・運転一筋派
・編成重視派
・自動運転派
・DCC推進型
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Source: 美里山倶楽部